2010年7月6日火曜日

Versailles 「JUBILEE」レビュー

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Versailles のメジャーデビューアルバム「JUBILEE」が 2010 年 1 月 20 日に発売されてしばらく経つ。もうそろそろ僕の中でも、この作品が消化できたので、いつも通りレビューをしてみたいと思う。

1.God Palace -Method of Inheritance-

作詞作曲 : KAMIJO。KAMIJOらしい仰々しい曲。いきなりの10分31秒。しかも組曲形式。

  • 第一楽章「神の誕生」
  • 第二楽章「激動の時代」
  • 第三楽章「運命」
  • 第四楽章「永遠の果て」

第一楽章、歌いだしからして、おや?なんぞこれ?と今までの Versailles からすると意表ついた感じでスタートする。変拍子フレーズが続き第二楽章へ。臨界点を突破するのは第三楽章のスピードアップしてからの展開部分。英語のナレーションフレーズを終えてからがいい感じ。この辺は安定感のある高速フレーズ・リフを連発しつつ展開され Versailles らしい味を楽しむことができる。ギターソロもここで聴ける。その後、クラシカルなフレーズを連発して静かにオルガンの音とともに第四章につながる。KAMIJO は、このような曲を書かせたら本当に天才であると思う。クラシカルなフレーズと、ストリングスのアレンジなど、一歩間違うとメタルからかけ離れたものを作曲するけれど、恐らく皆と相談しながらメタルの曲にアレンジしたんだろうなと考えられる。

2.ASCENDEAD MASTER

作詞 : KAMIJO 作曲 : HIZAKI。先行発売のメジャーデビューシングル。彼ららしい、そして作曲の HIZAKI らしいメロスピ曲だが、メジャーデビューに気合いの入った面白いフレーズも満載された、いい意味での売れ線の曲であると思う。キャッチーなサビや、ツインリードギターの良さをうまく表現できているギターソロ。KAMIJO のいい声が出る音程。それを支えるベースとドラムの音速テクニック。最初から最後までおいしい曲である。

3.Rosen Schwert

作詞作曲 : KAMIJO。こういうジャンルのアルバムにありがちな3曲目はちょっとお休みロックっぽい曲。しかし、この曲はなんとなく古き良き V 系サウンドを彷彿とさせるので、好きな方には好きな曲なのではないでしょうか。ノリの良さとかもね。

4.愛と哀しみのノクターン

作詞 : KAMIJO 作曲 : TERU。TERU の曲は毎度不思議な曲やら楽しい曲があるんだけれど、曲名から全く想像できない疾走曲を持ってきてくれました。この曲はこのアルバムの前半のハイライト。ライヴでもヘドバンが超激しくて、若い女性がすげー勢いで髪を振り乱しておりました。あと TERU 曲、実はギターリフが気持ちよい曲が多いので要注意だ。

5.Amorphous

作詞 : KAMIJO 作曲 : HIZAKI。一転して優しいヴァイオリンの音が印象的なミドルテンポの曲。アコースティックギターの音も入って、今までの Versailles ではあまりなかったタイプの曲。

6.Reminiscence

作曲 : TERU。インストゥルメンタル。クラシックな音にギターを組み合わせた、なんだか不思議で幻想的な西洋風の曲。ライヴでもちゃんとこのまま演奏してたけど、本当に TERU は、ファイナルファンタジーに出てきそうな格好しててすごかった。

7.Catharsis

作詞 : HIZAKI 作曲 : TERU & HIZAKI。ありそうでなかったギタリスト二人が一緒に作った曲。作詞も KAMIJO ではなく HIZAKI。ギタリストが二人で作るとどうなるのかと思うと、やっぱりかっこいい曲になるんですねー。Versailles のギターの音は、割と全開で左右に音振られてるので、気持ちよくザクザク刻むリフも心地よい。弾きたいように弾きまくってるギターソロもなかなかいい感じですね。この位の速度の曲も実は意外になかったんじゃないかっていう。ちょっと速い感じの曲。

8.The Umbrella of Glass

作詞作曲 : KAMIJO。実は、このアルバムの中でのお気に入りの一曲だったりする。こういう切ないメロディには滅法弱いもので。なんか KAMIJO の前にいたバンド LAREINE でやりそうな感じの曲。かのバンドの良さは、どこか悲しいメロディにのせた切ない青さみたいなのが魅力だったんだけど、その方面の香りをこの曲には感じるわけです。

9.月下香

作詞作曲 : HIZAKI。KAMIJO 曰く、Versailles で一番エロい曲。HIZAKI姫の得意技であるメロディックスピードメタルチューン。先行メジャーデビューシングルのカップリングされていた曲。こういうヘビーな曲好きよ。前奏と後奏にちゃんと頭を振れる箇所があるので、ライヴでも盛り上がれますよ。

10.PRINCESS -Revival of church-

作詞 : KAMIJO 作曲 : HIZAKI。最後期のインディーズ時代に発売していた PRINCE & PRINCESS に収録されていた曲。個人的には、PRINCE より PRINCESS 派だったので、嬉しい。PRINCESS の方が、より難解なフレーズも多いし変拍子を使ったり、疾走部分が多かったりで好き。あと詞が照れるほど直接的なので、わかりやすくてよい。

11.Serenade

作詞 : KAMIJO 作曲 : HIZAKI。マジ HIZAKI姫のバラードは、毎度毎度最強過ぎる。最初に聴いた時点で胸に残るキャッチーで切なくなるメロディ。どうしても想起してしまう Jasmine You。彼が生前、この曲を聴いて涙を流したなんて blog で言ってたけど、本当そんな感じ。初回特典の DVD にはこの曲の PV が収録されている。

12.Sound in Gate

また CD にこの曲誰が書いたか書いてないし!でも、間違いなく KAMIJO 。やたら大げさな映画のサウンドトラックみたいな曲を書くのは彼しかいないし。インストゥルメンタルの小曲。

Versailles は、短い間に、「Lyrical Sympathy」「NOBLE」と、進化しながらリリースしてきた。もう一度のこの作品をその二作品を振り返りながら改めて聴きなおしてみると、この作品は彼らの見せることができる最高傑作だし、僕の中でもやはり、実際そうであると思える。この作品でも大きくサウンドに貢献している Jasmine You は、既に天国にいるわけだから、次回の作品は彼なしでいくことになる。彼らは本当の意味での新しい Versailles のサウンドを僕らに届けてくれることになるから、僕はそれを楽しみに待っている。

現在、ツアー中の彼らはヨーロッパをまわっている。

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2010年2月14日日曜日

PLANEX CQW-MRB とイーモバイルとiPod touchで快適モバイル生活

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僕は以前PHS300とイーモバイルとiPod touchで快適モバイル生活というエントリで紹介したように、PHS300 とイーモバイルと iPod touch でインターネットに接続していて、当時は満足して使っていたのだけれど、先日 Pocket Wi-Fi を手に入れてから PHS300 は全く使わなくなってしまった。今、僕の書斎の机の上で何もせずに佇んでいる。しかし、イーモバイルは、2年の契約をしている人も多く USB 型の端末を購入して他の端末を買いたくても買えないような人は沢山いるはずだ。そこで、Amazon を眺めていたらPLANEX Wi-Fi接続150Mbpsバッテリー内蔵 モバイルルータ CQW-MRBという製品を発見した。PHS300よりも、安く11,900円(2010年2月14日現在)で購入できるようだ。これさえ購入すれば無線 LAN に対応したノートパソコンや iPod touch を組み合わせて使ったり、仲間と集まってインターネットなんて使い方もできるのだ。便利。

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2010年1月13日水曜日

AREA51 シングル「Sincerity」「Marionnette」レビュー

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以前から追いかけている AREA51 の今春発売予定新アルバムの先行シングルが、2枚リリースされている。iTunes Store で購入できるので、iTunes を使ってる人や iPod ユーザは是非聴いてみて欲しい。

「Sincerity」は、ギターの石野洋一郎氏の作曲編曲で、作詞は Kate 嬢。メンバーも二人になったことで、これからの曲は二人で作って行くことになるのだろう。音作りも石野さんの手による作品。音は AREA51 らしいギターの音がよく聞こえる乾いたものだ。ギターで刻む音が心地よい。Kate の声にも艶がありこれも前作同様安心して聴いていられる。僕は、AREA51 をキーボードをうまく使う(使える)バンドだと思っているが、今回のシングルもギターソロだけではなく、キーボードもよく出てくる。

「Marionnette」も、ギターの石野洋一郎氏の作曲編曲で、作詞は Kate 嬢。アルバムもこの布陣で臨むのであろう。メタル畑のギターとV系のヴォーカルと詞。最近の AREA51 の作品はこれだよね。この曲については前曲「Sincerity」と異なり、Jens Bogren の音作りとなる。Jens Bogren は、Opeth, Symphony X, Paradise Lost, Saint Deamon, Soilwork を手がけるエンジニアだ。僕は、Symphony X は好きで聴いているけれども、あの音を想像して再生してみるともうそのまんま Jens Bogren の音。やっぱりいいね! 音の情報量が違う。デカい音っていろんな音の情報が増幅されるから、勿論音楽を聴く上である部分では大切なんだけれど、彼の音はデカい音じゃなくなくても、ちゃんと音が聞こえてくるという感じなんだよね。音楽は音の集まりだから音がきめ細やかに聞えるのって気持ちいいんだよね。素晴らしい。勿論楽曲も素敵で、個人的には「Sincerity」よりも好き。Aメロあたり音にも新しい試みもあるし、サビもキャッチーだ。そして音がいい。

特に、「Marionnette」を聴いた後は、新アルバムへの期待も高まる。この Blog がきっかけで、AREA51 の石野洋一郎さんとは個人的なお付き合いもさせてもらっているので、直接言えって感じですけれど、期待していますよ!

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Versailles メジャーデヴューアルバム「JUBILEE」間もなく発売

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メジャーデヴューした Versailles は、まもなくデヴューアルバム「JUBILEE」を発売する。JUBILEE とは、記念祭や祝典という意味。発売日は 2010 年 1 月 20 日だ。Versailles 公式サイトでは、試聴ができるページも用意されており、発売まで我慢できない人達に少しだけ音源を公開している。

曲目は以下の通りだ。

  1. God Palace -Method of Inheritance-
  2. ASCENDEAD MASTER
  3. Rosen Schwert
  4. 愛と哀しみのノクターン
  5. Amorphous
  6. Reminiscence
  7. Catharsis
  8. The Umbrella of Glass
  9. 月下香
  10. PRINCESS -Revival of church-
  11. Serenade
  12. Sound in Gate

今回の Versailles のメジャーデヴューアルバム「JUBILEE」を眺めて見ると、ほぼ新曲で埋められており、先行発売されたシングル「ASCENDEAD MASTER」とその収録曲「月下香」、インディーズ時代のシングル「PRINCE&PRINCESS」に含まれる「PRINCESS」以外は新曲だ。「ASCENDEAD MASTER」は、Versailles 節全開のクサメロ系疾走曲、「月下香」も HIZAKI 曲で、スピードは速め、「PRINCESS」は、変拍子を含めたテクニカルなギターが光る名曲だ。

Jasmine You は、既にレコーディング中には体調を崩していたため殆どベースを弾くことができなかったようで、今回のアルバムについては HIZAKI が弾いている。HIZAKI はギタリストであるが、以前からソロの作品ではベースを弾いていたし、彼は Jasmine ならどう弾くかを常に念頭に置いて弾いたと言っているので、期待を裏切ることはないだろうと思う。Jasmine You らしいスライド満載なベースが聴けるかも知れない。

今回の作品は、あるいは発表されていなかったかも知れない作品である。Jasmine You の死後には、彼らは本当に打ちのめされて最悪の選択肢も頭に浮かんだけれど、ファンのこと Jasmine You のことを考えたら前に進むことが最善の道であると判断して、僕たちの前にこうして作品を提示してくれた。僕達ができることは、彼らの気持ちや熱意である作品をしっかりと手にして、天国にいる Jasmine You を想いながら聴くことだ。あの不思議で、そして妖艶な笑みを思い浮かべながら、聴いて想い出すのだ。

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2009年12月31日木曜日

陰陽座 「金剛九尾」レビュー

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陰陽座の2009年9月9日発売( 9 並びアルバム名と通算枚数にかけてる!!)の通算9枚目のアルバム「金剛九尾」が発売されてしばらく経った。iPod や Mac の前でほどほど聴いてライヴも見に行ったことだし、毎度のことながら本アルバムもレビューしてみようかと思う。

本作は、基本的に、前作「魑魅魍魎」(ちみもうりょう)と同じ音作りのアルバムだ。エンジニア陣もほぼ共通で、この音がリーダの瞬火の好みの音であるのだろう。確かにダイナミックな音で、透明感もある音だ。初期よりも断然高音質だし、心地いい。ただ音がよければいいのかって話なのか。勿論、何はともあれ楽曲が問題だ。もちろん陰陽座は期待を裏切らないので安心して欲しい。

さて、各楽曲を聴いていこう。今回の作品は全曲、作詞:瞬火・作曲:瞬火。

1. 貘(ばく)

「貘」は、中国由来の夢を食べると言われる架空の生物。あるいは妖怪。楽曲は、神秘的な効果音から入るクリーンなトーンやシンセサイザが透明感を出すミドルテンポの曲。最近の陰陽座らしく、1曲目はアルバムの全体を想起させるテーマを持った曲を持ってくることが多い。この曲も、クリアな感じと侘びしさや、寂しさ(ダークな感じではない)を感じさせる。サビもキャッチーなのだけれど、メジャーな底抜けの明るい曲ではない。ライヴなどでは、もちろん 1 曲目に演奏していたが、どうにも縦ノリではないので、観客もどうしていいかよくわからない感じでノっていた。

2. 蒼き独眼(あおきどくがん)

「独眼」は、勿論独眼竜正宗。伊達政宗のこと。イントロからしてかっこいい。こういう硬質な感じのギターのリフはいいよね。この曲はパチンコ CR 戦国乱舞 蒼き独眼のテーマ曲になっている。歌謡曲的な意味でも、陰陽座的なメタルの意味でもキャッチーな曲。先行発売されたシングル曲でもある。彼は、本当にシングル曲はシングル曲らしい曲を書く。さらに、パチンコで採用されたので、パチンコ台で演奏されることを考えて、うまく収まるように作ったという瞬火らしい完璧主義な一面が見える曲でもある。

3. 十六夜の雨(いざよいのあめ)

打って変わって恋愛をテーマにした曲。耳がヘビメタ慣れしてると、こういうイントロに「おお、スピードチューンキター!!1!!」となる病気に罹患しているのだが、普通のテンポの曲だったりする。

4. 小袖の手(こそでのて)

「小袖の手」は、妖怪の名。僕は、歌詞を読んで、この世に未練のある女性が好いた男性を想うあまり、遺品である小袖から手を伸ばすほどの状況というような解釈をしているが、どうなんだろうか。しっとりとした黒猫の歌声で切ない恋心を歌う。

5. 孔雀忍法帖(くざくにんぽうちょう)

一転、毎度収録されている忍法帖シリーズ。今回もノリのよい作品で、本アルバムでの最速チューンとなっている。終始テンポを落とすことなく突っ走ります。ギターも気持ちよい音ですね。

6. 挽歌(ばんか)

「挽歌」は、そのまま挽歌でしょう。この曲は、陰陽座としては新境地だとは思うが、これが大成功しているとしか言いようがない、まさに名曲である。泣きのメロディでスタンダードなロックのコード進行。メタルかと言われたら、いやいやこれはロックのしかも王道だけれど、このような曲が陰陽座から出てきたことが、いい意味での驚きではあった。この曲は、間違いなく10年前の結成当時では発表されることがなかっただろうし、陰陽座としての活動が、10年の年月を経て、さらに瞬火自身もいい意味で歳を取ったからこそ、この曲を書いて発表したのではないかなと思う。

7. 相剋(そうこく)

相剋と次の慟哭は、DS のゲーム「犬神家の一族」のテーマソング。そして、先行発売されたシングル曲。販売元に陰陽座ファンがおり強いオファーがあったようで、彼らもそれに応えたといったところ。犬神家の一族と言えば、横溝正史原作の金田一耕助が主人公の探偵小説・映画・ドラマ作品。僕は不勉強で映画しか観たことがないが、ゲームの印象には合っているのかしら。こちらは激しい感じの歌い方になっているので、おそらくゲームの冒頭部なんかに使われてるのかな。

8. 慟哭(どうこく)

7 と同じくシングル曲。イントロの音などは、昭和の作品である「犬神家の一族」をうまく表現できているんじゃないかなあと個人的には思っている曲。バラードであり、ゲームではエンディングなどに使われたのかも知れない。どうもこの曲は、ベースがやたらと耳に入ってきてしまい、元ベーシストであったりすることもあり、自分的には指でベースを弾く様子が頭から離れないわけです。

9. 組曲「九尾」~玉藻前(くみきょく「きゅうび」~たまものまえ)

これより 3 曲で構成された組曲。「九尾」は有名な妖怪。狐の姿で 9 本の尻尾を持つ妖怪。このアルバムはとにかく 9 に拘っているのだ。玉藻前は、絶世の美女とされ、鳥羽上皇に仕え、寵愛され契りを結ぶまで至ったが、妖怪であることが発覚して…。というお話である。黒猫が終始歌うことからわかるように、玉藻前視点で愛を求める様を描いているなかなか艶っぽい歌である。

10.組曲「九尾」~照魔鏡(くみきょく「きゅうび」~しょうまきょう)

一転、暗くておどろおどろしい展開へ。ヘビーでスローなテンポに。「照魔鏡」とは、悪魔の本性を映し出す力のある鏡。ドラゴンクエストでいうところのラーの鏡。組曲の中盤というのは、陰陽座の非常にらしさが出るので、毎度愉しみなのだけれど、今回も展開を次から次へと変えて来て期待を裏切らない。変拍子ありギターソロもあり、男女ヴォーカルの絡みあり。9分を超える楽曲だけれど、飽きさせない。

11.組曲「九尾」~殺生石(くみきょく「きゅうび」~せっしょうせき)

殺生石は、玉藻前の正体「九尾の狐」が死んだ後に、石となったというもの。近づく生き物を殺すことから名付けられた。この曲は、ギターのリフが非常にかっこいい。曲もクライマックスへ向けて、スピードアップ。最後に、しっとり黒猫が歌うパートはあるが、目まぐるしくかつ激しい展開、リフ、やや難解なテンポ・拍子(まあ某バンドほどではないけれどもさ)、合いの手の声を上げつつ、このアルバムの最高温度を記録する。

12.喰らいあう

毎度毎度の陰陽座の最後の曲は、ライブで盛り上がりそうな曲。サビの喰らいあうと cry out とかけてるのか。

このアルバムは、全体に脳天気な曲はなく、なんとも言えない侘びしい寂しさのようなものが漂う、非常に和を感じさせるテイストとなっている。なんと言っても組曲「九尾」は、瞬火が構想10年とかなんとか言ってたと思うのだけれど、非常に完成度が高い。キャッチーさばかりではない。音は、最近の陰陽座らしくヘヴィネスだけではなくモダンな音作りである。モダンというのは、語弊があるかも知れないけれど、古くさいメタルではない音であり、気持ちよく聴ける音ということだ。 10 年という一区切りで彼らが提示した楽曲と音は、間違いなく過去の陰陽座の清算でもあり、新しい一歩であると強く感じることができるアルバムである。

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